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今日という日

 もう30年近く前になるけれど、私は修学旅行から前日に帰宅して
 この日は代休で学校も休みになっていた。今のように「ゆとり教育」
 そんなものさえなく、ハッピーマンデーなんてものもなかった。

 そんな日に起こった、あの出来事はあの快挙忘れられない
 今はもうない青函連絡船の中でリーチがかかっていた記事を読んだ。
 日本中がその瞬間を固唾を呑んで見守っていたのを覚えている。
 もはや何処のファンとかそんなものを超越していただろうと思う。

 瞬間はLIVEでは中継されなかった、野球の中継が19:30からだった頃
 NHKのニュースでその1報が入った事もはっきりと覚えている。
 求道者と評されることが多いけれどこの事実は彼の象徴的なことだった。
 日本から世界の頂点に立った、そんな一瞬だったと思う。

 そんな彼は今鷹匠となって若鷹の育成に日々邁進している。
 求められれば誰彼なく教え導く、鷹匠の采配には常に賛否両論が起こる。
 「采配や選手起用がワンパターンだ」とか負ければ罵詈雑言を浴びせられる。
 鷹匠の答えはいつも1つ「私が自信を持って薦めたもの」信念は揺るがない。
 負けず嫌いという人格もあるけれど、かつて猛牛を率いて日本シリーズに臨んだ
 西本氏と重なって見える、「根っからの勝負師」という横顔が垣間見える。

 「勝負師」と「相場師」かつて作家山口洋子が書いていたもの。
 「自分が納得できるだけの戦力をそろえて鍛え上げ決戦に臨むのが勝負師」
 「今ある手駒でやりくりしながら結果を残していくのが相場師」と彼女は言う。
 今の若鷹のほとんどは鷹匠が就任してから育った選手だろう。
 リーグ制覇まで就任から5年という年月を費やしてきたのも事実。

 勇退まであとそれほど多くの時間は残っていないけれど
 自身が作り上げてきた年間55本塁打の記録を在任中に弟子たちに
 塗り替えられれば本望という想いでいるのではないかと思う。
 
by extranjeco | 2005-09-03 00:13 | プロ野球
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